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日々の萌語りとSS
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なんだか忙しいです。
DVD12枚見て書きものしなきゃいけないんですが、個人的にサガムウに燃料がチャージされたので、とりあえずせめてSSを。

まさにやまなし意味なし落ちなしですが、珍しく薄暗くはないです。


先日からの、WEB拍手内のCPアンケートボタン、サガムウを押して下さる方が結構いらして、世の中にサガムウニーズがあることがわかり、ほっとしました。
相変わらず変な方に曲がっていくと思いますが、頑張りますv




***


シーツ
 

彼の私室のベッドはいつもきちんとベッドメイクされている。
ぴんとはられたコンフォーター。アイロンのきいた光沢のある細番手のシーツ。
まっすぐに置かれた真っ白なピローがまるで白いオブジェのようだ。

私は角が立つほどきちんと折られた封筒を思わせるシーツの間に滑り込む。
きっちり抑えられたコットンのしなやかで冷たい感触。
つまさきでさぐる全ての場所がひんやりと冷たく、ピッチリと隙をみせない。

いかにも彼らしいベッドなのだが、私は知っている。
もうしばらくしたら、この芸術的なベッドのコンフォーターは床に滑り落ち、糊のきいた真っ白なシーツは見るも無残に乱れてしまうことを。
汗ばんだ私は熱と湿り気を帯びたシーツの上にごろりと転がり、ベッドの上で少しでも冷たい場所を
探すのだ。


広いベッドなのにぴったり寄り添って時間を過ごしたため、冷たい場所は結構ある。
でも私がひんやりしたシーツに火照った身体を押し当てて休息していると、彼がすぐ乗ってくる。


「…そう言う風にされると重いんですけど」
「だろうな」
「しかも熱いんです」
「うん」

ため息をついてあきらめると、仰向けになって素直に彼の腕の中に入り込む。
しなやかなのに糊のきいたさらさらのシーツ。
「いかにもアイリッシュリネンのシーツを使いそうなのに、コットンなんですね」


でも彼は、私の素朴なスラブ麻のシーツのベッドも好きだと言う。
ジャミールの風で干したままの、ノーアイロンのくしゃくしゃのやわらかなシーツ。

私がそのことを言うと、彼は面白そうにくすりと笑った。
「…お前にしては的外れなことを言うな」
「?」

「お前のベッドのシーツだからに決まっているだろう?」
「…」

思わずうつむく私に彼は言う。
「今度の休みはシーツを買いに行こう。お前のベッドと同じやわらかな麻のシーツを」
「…じゃあ、ジャミールまで来てもらわないといけませんね」

そんなことを言っても、サガは絶対自分のベッドにはこの冷たくて完璧な、皺ひとつないシーツを
使うくせに。


ふたりともそれがわかっているのに、今度の休みに一緒にシーツを買う約束をする。
彼は大きな革装の机上アジェンダ(予定表)に、銅版印刷みたいな字で買い物の予定を書き込んだ。

 
 
***
 
*仕事用のでっかい重厚な予定表に、堂々と寝具を恋人と買いに行く予定を書き込むサガ。身の回りのごくプライベートなものを一緒に買いに行くのって、親密で特別な感じですよね。
白&灰色サガは字がきれいだと妄想。(黒サガは乱暴な字)
 
*細番手(細い糸)のコットンの布は(シーツに限らず)、しなやかでしっとりひんやり気持ちいいですよね。
きちんとベッドメイクされたベッドはとてもいい気持ちですが、自分ではちっとも上手にベッドメイクできません。
 
 
 

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