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日々の萌語りとSS
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車田☆矢は凄いなあと思うのは、ほとんどと言っていい程、本筋以外の描写がないところです。

多分、当時の少年漫画としてもかなりそういう方だと思うのですが、とにかく本筋の「自分の神のために命を賭けて戦う」以外の描写が、基本ない。
あんなに長い漫画なのに、ただただ闘っているだけで、それぞれの内面の細やかな描写もないし、個々人のバックグラウンドも私生活も詳細不明。主人公たちの名字もはっきりしないし(おじいさまは認知しているのか?)、本名すら分らないメインキャラがいる。
また聖闘士以外の敵闘士もみな、自分の神のために死力を尽くして戦うだけで、本質的な悪人もいないし、そこに葛藤もない。

でも、キャラを掘り下げようと登場人物の心情がきめ細やかに描かれている最近の漫画と比べても、「描写不足でキャラが薄っぺらい」なんて言う風には全然感じないんですよね。

たとえばΩは21世紀の☆矢物語として、キャラが色々自分を語ったりして鑑賞者を物語世界に引き込んでいこうとする訳ですが、無印☆矢はそういうのが一切ないのにも関わらず、キャラはこれ以上ない程立っていて、とても魅力的。

世界観・設定にいたっては、いまどきのきちんと考証された整合性のある作品とは対極にあるような「こまけえことはいいんだよ!」な勢いなのに、なんの問題もなく作品世界が成り立っているんですよね。(時には車田マジックで恐ろしいほど符合していたりもしますし)…ほんとに凄い!

こんなにも本筋以外が何も描かれていない漫画なのに、時間によって色褪せることなく、いまだに多くの人を惹きつけるのって、本当に神話物語みたいだなあと思います。
(そして描かれていない部分を、妄想するという。)


ちなみに、Ωはそういう車田作品の大らかさと、21世紀のアニメに求められる整合性やキャラの掘り下げを何とかうまく両立させようと奮闘しているよなあと感じてます。
でも、やはり御大のようには中々いかないですよね~。御大の場合は、矛盾や突っ込みどころすら寧ろ愛される魅力になるけれど、そこまでの域に達するのは相当に難しいですよね。


ということで、次週の忍んでない忍者の回を楽しみにしています。





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中羊受および双子・獅子・シベリア師弟などについての妄想が渦巻くコキュートスです。
その他☆矢派生作品(Ω、LC等々)の感想も。
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