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日々の萌語りとSS
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LoCのサガの全身像見たんですが、「ニコイチ…」と思っちゃいました。(ほんとに善と悪の二個一ということなのでしょうが)
しかしあんなツートンカラ―だと、あからさまに怪しくないでしょうか。初見の人でも何か裏がありそうだと疑うレベルではないかと。ジェミニ聖衣にはどう見てもダークサイドから邪悪感が溢れ出てますし、悪のマスクもついてますし。しかし一目見ただけで訳あり感あふれる聖衣って、持ち主的にはどうなのでしょうw。

それにしても、車田原作の潔いまでにひたすら金色一色に眩い黄金聖衣に慣れた身としては、LoC黄金聖衣のバラエティ豊かな金属色やツートンはなんだか不思議な感じです。でも、動かすとその方が面白いのでしょうね。


さて、羊月間開始ということで、以前書いた⇒「マイナススタートからのサガ眼鏡ムウの続き・サガサイドです。(祝ってない)
モノローグ中心で練れていないのですが、忘れないうちに大体こんな感じと言う自分用メモ的に。サイトにあげる機会があればもう少しブラッシュアップしたいです。


*昼下がりの拍手ありがとうございました。連打の方お気持ち嬉しいです。見ていて下さる方がおられるというのはとても嬉しいです。



↓サガがかなり鬱陶しいですが、一応読んでみてやろうかという方は折り畳みへ。




***

 


--いまいましいあのアリエス。
教皇宮の奥深くに戻ったサガは先程ジャミールの館に置き去りにしたムウを思い出し、苛々と部屋を歩き回った。不愉快な記憶に自然と眉がよる。

あのアリエスは、結局最後まで私に屈しなかった。どれほど苛んでも汚しても、傷つけ侮辱しても、それでも私を見ようとはしなかった。
なんという強情な奴だ。

あの眼鏡の奥で、奴は私を拒絶している。
表面的にはなすがままにされ、屈辱的な形で私に玩具のように扱われているというのに、ムウの周りには透明なクリスタルの壁がはりめぐされているようだ。
どれだけ粉々に打ち砕いても、砕け散ったと思ったその水晶の壁の向こうに、また変わらず澄んで透徹した壁をはりめぐらせて私を拒否している。何ものにも汚されないといわんばかりのその清らかな輝き。
どれほど深く入りこんでも、どれほど奥から絞り出しても、結局奴は私を一歩たりとも内に入れない。

――まさに、アリエスだ。

サガの脳裏を別のアリエスの姿がよぎる。
聖域のシンボルであり、アテナの聖闘士の頂点に君臨するあのアリエス。あのアリエスも決して私を
最後まで受け入れることはなかった。

あの日、プライドも立場も捨てて何ゆえかと必死に理由を問うた私に、教皇アリエスが告げた言葉。
「お前の魂にはとてつもない悪魔が住んでいるような気がしてならんのだ」

私は誰よりもアテナの聖域のことを思い、聖域のために力を尽くしてきた。
だが、私があれほどまでに乞い、死ぬほど努力を重ねて求め続けたものを、あっさりと眼の前で欲しがってもいない射手座に与えたアリエスの教皇。
「神のよう」と言われるまでに努力し続けてきたのは、射手座ではなく他でもないこの私だ。何故アテナの聖域は、教皇のアリエスは、私をそこまで否定するのか?

その射手座は、弟である獅子座と共に黄金聖闘士として光の中を歩いている。――私の双子の弟は影の存在とされているのに。
実力、努力共に決して誰にも劣ってなどいないのにも関わらず、聖域は何故このような残酷を双子座に強いるのか。
そんな私の心に芽生えた聖域への疑問や怒り、アテナへの不信や絶望は、「とてつもない悪魔」だと言うのか?私は「邪悪の化身」だというのか――?

サガはサイドボードに置かれたクリスタルのカラフェの蓋を苛立たしげに開けると、グラスに酒を乱暴に注いだ。

――だから私はもう欲しいものは自分で掴みとることにした。聖域であるアリエスが私を認めないなら、私がアリエスに代わって聖域になればいい。見ろ、私は誰にも負けないほど十分に聖域を運営し、アテナなどに頼らずとも立派に地上を守っているではないか。

サガは強い酒をそのまま一気に喉に流し込むと、すぐにまた勢いよくグラスを満たす。心の内をそのまま映すように大きく波打つ琥珀色の液体。

……そのくせ、あの忌々しいアリエスのムウ。シオンと同じように私を決して受け入れようとしない。師を奪い去り、自らの無力さをとことん分からせてやった筈なのに、何故私に屈しない?

先程、激情のままに組み敷いて汚したアリエスのイメージが浮かぶ。
アリエスのムウ。
欲望をとげた後、意図的に無視し、言葉は勿論一瞥すら与えず置き去りにした。そうやって肉体のみならず、心にも誰が主人が思い知らせてやるつもりだった。

だが何故こんなに脳裏にあのアリエスの姿が浮かぶのだろう。

私の下で喘ぎ、のけぞり、こらえきれずに快楽を吐き出したアリエス。
無理矢理見せた鏡の中で、私など一顧だにせず、自らを罰するように乱れる自分の姿だけを真っすぐに見ていたアリエス。
透徹なレンズの向こうで、あの瞳は一度たりとも私に向けられることは無かった。

サガはグラスを手にしたまま、苛々と足音を響かせて教皇室を歩きまわる。

ムウを汚しながら、一気に高まる熱を冷まそうとそらした視線の先に見えた一枚の古ぼけた写真。
ジャミールの暖炉棚の上に置かれたセピア色のその写真には、幼い黄金聖闘士達が並んで写っていた。一番手前にはまだあどけないムウとアイオリア。

――獅子座。
確かに幼い頃あの二人は仲が良かった。では、獅子座がムウの心の支えだという訳か?
レオのアイオリア。アリエスの教皇が選んだ次代教皇を実の兄を持つ男。まっすぐで正義感が強いところは兄によく似ている。

だがそれは、まっすぐで正義感が強いと言う、理想主義的でいることを許されていたということだ。
誰だって、お綺麗な非の打ちどころのない理想を掲げているほうが楽だ――もしそれが許されるのであれば。

サガの赤い目が怒りに燃え上がる。

そんな甘い理想を持ち続けることを射手座と獅子座の兄弟に許した聖域。では私とカノンは一体何なのだ?
兄のいる聖域でのびのびと影を知らずに輝いていた弟。存在すら秘されていたカノンが自棄になり、悪の道へ迷い込んで行ったのと大違いだ。

そして私は自らの手で双子の弟を死なせてしまうことになった。獅子座がぬくぬくと兄の庇護の下で聖闘士として成長している、そのすぐ横の人知れぬ深い闇の海で。

そして結局、どのアリエスも「邪悪の化身」ではなく、理想を高く掲げていられる輝く存在を選ぶということか……

唇がふっと皮肉な笑いに歪む。

そう、だからアリエスのムウ、私は何があってもお前を手に入れる。
ガラスの向こうのお前の冷たい瞳が私だけを見て、私だけが与えることのできる快楽に歪み、私を求めるようになるまで、お前を手放したりはしない。恵まれた場でのうのうとしている獅子座への想いなど許しはしない。

傷つけ貶めるために視線を向けることすらせずにジャミールの館を去った筈なのに、ムウのイメージが瞼に浮かんで離れない。

……長い睫毛が快感に震えていた。あの柔らかな頬は、言う事を聞かせるために乱暴にはるのではなく、そっと触れたくなるような欲求をかきたてた。
だがふっくらと紅い唇は最後まで私の名前を呼ぶことは無かった――

渇望のような欲求が身体の内にふくれあがる。
不愉快きわまるアリエスのムウ、次に会う時まで憎み続けるために、お前の姿をもっとしっかりこの眼に刻んでおけばよかった。
ジャミールの館を離れる前に、もっとその声をあげさせてよく聞いておけばよかった。

今度こそ、眼鏡の向こうのムウの瞳に私以外のものが映らなくなるまで、その心と身体に私の存在を刻みこんでやる――

サガは一息にグラスをあおると、乱暴な音をたててテーブルに置いた。そのまま長い教皇のローブを翻し、暗く寒い孤独な私室にひとり向かう。



執着。
支配欲。
独占欲。



そのような強い感情は別の名前でも呼ばれることを、サガは自身でまだ気づいていなかった。


 







(続く・・・たぶん)








***

だーめーだー!
やっぱり私の書くものは、サガムウ要素が強すぎますね。サガがもういきなりデレてますね。少しずつ近づいていくまでもなく、既に無血開城・完全陥落してるじゃないですか。(だってムウ様がかわいすぎて…)

しかし車田サガは、こんな女々しいこと言ってるとは思わないんですが、LoCサガのビジュアルならこういう妄想が非常にはまります。いえ、単なる自分縛りなんですが、車田サガだとカッコよすぎてどうしてもウジウジ(←)させられないんですよね。

今回、台詞を転記するために十二宮編のラストを確認していて、改めて車田サガは本当にかっこいいな~としびれました。ムウ様も健気で凛としていて。
でも、二人とも恋愛脳じゃないし、するべきことを理解し守る意志の強い人たちなので、あんまり自分のトラウマとかに振り回されなさそう。

敢えて言えば、そういう弱さが感じられるのは13年前の少年白サガですね。あの子はほんとに清らかで一生懸命で、可愛/可哀そうで、たまりません。あの優秀で感受性の鋭い少年サガなら、どれだけうじうじしても、葛藤しても、執着しても、暗黒面に落ちてもイイ!


一方、LoCサガのたたずまいは、心に深い傷を既に負っている雰囲気が立ち上っているように思います。
LoCサガは欝屈としたもの抱えたとても優秀な人。有能で、野心家で、不遜で、しかしよく気がつく故に繊細。そして負った傷を絶対に見せまいと心に決め、強くありつづけている(あり続けようとしている)、そんな感じ。

ムウ様については、LoCムウ様は、個人的にはちょっとむにゅ感・ぽにょ感やほっぺたや可憐さが足りないので、車田絵ムウ様で。(眼鏡があっても可)


いえ、全て単なる脳内劇場ですので、そんなに細かくキャラ絵の指定とかしなくていいんですが、ペンタブの代わりにキーボードでキャラを描いていく時に、やっぱり脳内のビジュアルって自分にとっては大切みたいです。
ということで、一連のマイナススタートからのサガムウは、LoCイケメンだめサガと車田絵のむにゅムウ様のイメージで。という自分脳内設定。


 

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