忍者ブログ
日々の萌語りとSS
[796]  [955]  [954]  [953]  [952]  [951]  [949]  [948]  [947]  [946]  [944
悪いこと(世界征服をたくらむなど)をした場合、それとどう向き合っていくか。
双子の行動にはそれぞれの性格が現れてるなあと思いました。

***

ポセイドン編のラスト、カノンはポセイドンが投げたトライデントからアテナをかばい、自ら矛を身に受けます。
「ぐう~~~~っ」

「敵のお前がどうして…」と驚く星矢にカノンは
1)もともとそのトライデントは自分が引き抜いてしまったもの
2)そのような神への冒涜を犯した自分が受けるのがふさわしい
3)それに13年前のスニオン水牢ではアテナに何度も救ってもらった
4)せめてもの恩返し
と、涙を浮かべ苦しい息の下から言葉を絞り出します。
そして、
「ア…アテナ すべては愚かなるこのカノンの罪…
ど…どうか… どうかお許しを… ア…アテナ…」

ガク…と崩れ落ちました(;ω;)ブワッ


一方、12宮編のラスト、サガは聖域の階段を駆け上ったアテナの前に膝をついて現れ、
「あ…あなたは!?」と驚くアテナに
「サガ… 13年前あなたを殺害しようとした男です…」
と眉をよせかすかに唇に笑みをうかべます。
「あなたにひとことお詫びを申し上げたく ここでお待ちしておりました」

「エ?」と驚くアテナの目の前で次の瞬間
「ドン!」
自らの胸を突いたサガは
1)「うう…女神 こんなことでわたしの罪が許されるとは思っておりません」
2)「で…でも このサガ 本当は正義ために生きたかったのです…
ど…どうか それだけは信じてください」

3)そして本当のあなたは正義だったと信じますというアテナの前で、
「あ…ありが…とう…」ザ…と崩れ落ちるサガ。(;ω;)ブワッ


本当に全然違う双子なんですが、誰もがまず気づくのは、カノンはちゃんと謝ってるし、後にはミロのスカニーに這いつくばって耐えてまで、やり直そうとしていること。
一方サガは、お詫びを言いに来たという割に、よく見るとちゃんと謝っていないというか、言い訳だけして、生きて償うこともせず死に逃げたようにも見えます。

でもね。
このあたり二人の性格の違いなんだと思うのですが、サガはそもそも「許し」なんて求めてないんだと思います。はっきり「許されるとは思っておりません」とも言っていますし。カノンが「どうか、お許しを」と言っているのと対称的です。
カノンは涙を浮かべていますが、サガは胸を突き脂汗を流していますが、泣いてはいない。

サガは聖闘士として、アテナに弓引いた時点でそこにどんな理由があったとしても、どんな罰を受けたとしても、許されることなどありえないと考えているのだと思います。決して償うことなど出来ない大罪。

偽教皇サガの13年の治世はそれほど悪いものではなかったように見えますが、そんなこととは全く関係なく、アテナに反逆した自分は、「アテナの聖闘士」である以上生きていることはできない。
死に逃げたと批判されることもあるサガの行動ですが、サガにとっては自分の存在がよって立つ意味そのものを侵してしまったので、消える(死ぬ)選択しかなかったのではないでしょうか。だから、サガの最後の言葉は謝罪というよりむしろ「遺書」なのかなと思いました。

「謝罪」というのは相手に伝えて、そのうえで相手のリアクションがあるもの。許すなり受け入れるなり否定されるなり、こちらからの働きかけで相手との新たな関係が生まれる。だからカノンの言葉は、結果的に末期の言葉であっても、本質的には未来志向の言葉です。

でもサガの言葉は、単に読み上げただけの遺書で、それを聞いた相手に何かをしてほしいとも、してもらえるとも思っていない。ましてや、許してもらえるなどとも。置いていく言葉、サガにとってはもう何も生み出さない言葉です。アテナの前に現れた時のサガの困ったようなかすかな笑顔は、自嘲であり諦観の笑みですよね。最初からもう決心している。
あれだけ滝涙を流す星矢世界で、最後のサガは涙すら浮かべていません。綺麗なサガの死に顔にアテナの涙がポタリ…と落ちて流れるのです。


しかしながら、そもそもここが最大の謎なんですが、赤子アテナはカノンのことを「何度も」助けたのに、なぜサガのことは放置だったのでしょうか?
きっとサガは自分の中の黒に苦しみ、アテナが顕現すればいろんな意味で事態は解決されるだろうと、誰よりもアテナの降臨を待っていたと思うのです。けれど結局赤子アテナはサガのためには何もしてくれなかったし、クーデターも看過してロスやシュラまで取り返しのつかない事態に追い込みました。
同じ顔をしているのに、アテナは何故サガには厳しいの…


ただ、ここから一つ言えるだろうことは、カノンは屹度すっごくチャーミングなんでしょうね。カノンは海将メンバーもどこかからスカウトしてきて海軍を立ち上げたし、赤子の女神まで落とす天然ひとたらし!


*折り畳みに過去記事を再掲しておきます。2011年に書いた「アテナのお気に入り(Athena's  Pet)」カノンについての考察です。
「先生のお気に入り」のことをTeacher's Petといいます。何となく色々と心弾む言葉ですよね、ティーチャーズ♡ペット(^ω^)



「アテナのお気に入り(Athena's  Pet)」2011年投稿

神をもたぶらかすカノンについて、かねがね思っていたことがあります。


それは、そもそもアテナその人のカノン贔屓がすごいということ!
どう考えてもカノンはアテナのお気に入りとしか思えません。
 
アテナは人格が分裂するほど悩み苦しんでいた「アテナの聖闘士・ジェミニのサガ」を
救いませんでした。
赤子の自分を命がけで救おうとしたアイオロスに至っては、目の前で文字通り見殺しです。
結果、シュラにも同僚に手をかけると言う十字架を背負わせたのに。
 
それなのに水牢に閉じ込められたカノンは、全く同時期に赤子の身ながら遠隔操作で救います。
その後も、海編の黒幕で地上に甚大な被害を与え、自分を殺そうとしたカノンをあっさり許して、
側近にして身近に置いてお使いやらせたりする。
(「カノン、カノンはおりませんか~」)

 あの時点で(ハーデス十二宮)、サガは死んで双子宮は無人だった訳ですから、カノンは傍に侍らせてないで正統なジェミニ後継者として双児宮にスタンドバイさせておくべきじゃないでしょうか?
 
ミロにカノンのことを言われても「私が良いっていってるからいいの!」と、かばいますし。
(まあ、ミロもアテナ女神の言う事まるで無視なのでどっちもどっちですが)
 
美形ぞろいの黄金兄さんたちに囲まれていながら、なぜカノンをあそこまで贔屓するかと考えるに、
やっぱり外見だけでなく、カノンの(対神)フェロモンはただごとではなかったのでしょうなあ、と
考えざるをえないわけです。
 
アテナは、基本的に同じ顔のサガに対しては、容赦ないというか、むしろ傷口えぐっていましたし。
ハーデス編教皇宮で、例のあの短剣を出すところなどサガに対してはどれだけSなのかと。
となると、沙織さんはやはり頂点に立つアテナ女神として、アネゴ属性と言うか、弟タイプに弱いのでしょうか。(星矢しかり)

ポセイドンといい、神々に特に威力を発揮するカノンの魅力、おそるべし…!です。
 




拍手[5回]

PR
web拍手
カレンダー
03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
ブログ内検索
バナー。リンクの際はお持ち帰りでお願い致します。
プロフィール
HN:
たると
HP:
性別:
女性
自己紹介:
中羊受および双子・獅子・シベリア師弟などについての妄想が渦巻くコキュートスです。
その他☆矢派生作品(Ω、LC等々)の感想も。
御用の方は拍手またはこちらまでどうぞ↓
gotoplanisphere☆yahoo.co.jp ☆→@

忍者ブログ [PR]