1ダース(リアムウ)続きです。よろしけば、折りたたみからどうぞ~
*拍手&メッセありがとうございました。
それほど長くない予定です。よみづらいブログでのコマ切れアップもうしわけありません。
拍手のお返事、反転しておきますね。不要の方もありがとうございました。
(以下、拍手お返事)
>リアムウ待ってました!の方
お待たせしました~。リアムウのリクボタンを押していて下さったとのこと、ありがとうございます。リア視点なので、ムウ様は可愛いと思います。といいますか、ムウ様は可愛いですよね。(真顔)拙サイトのリアムウを、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
>A様
早速の応援メッセありがとうございました。そうなんです、9月になろうとリアムウ的には永遠の夏ですよね。季節的には今更ですが「俺たちの夏はこれからだ!」話を楽しんで頂けると嬉しいです。(このお話のセッティングは8月・・・orz)
そして、ブルームーンもお読みいただき、ありがとうございました。ブルームーンって、普通の満月よりさらに大きく神秘的に感じますよね。あの月を見ていると、狼になったりルナティックになったりするのも分かるような気がします。といいますか、相手がムウ様だと、ジェミニのお二人は通年で狼モードなのですがw
その後に続いた誰も兄を、俺を、信じない日々。
幼い俺には周囲を説得する言葉も、兄の無実を証明する証拠を探す力もなかった。だから、俺にできるのは、ただ己を磨くことだった。
自分がレオの聖闘士として強くあることによって、俺達に降りかかった不名誉を振り払ってみせる!
俺は食堂の壁に向かってひとりで飯を食い、誰よりも激しい訓練を自主的に行い、危険な任務も、雑用も率先して行った。
誰にも何も言わせまい。俺は獅子座にふさわしい黄金の輝きを自らが放つ聖闘士になるのだ――!
だがそれでも、何をしていても「反逆者の弟」というレッテルはついてまわった。軽んじられ、侮蔑され、理不尽な屈辱に耐えねばならぬことは、数えきれぬほどあった。
しかし、ムウが、ムウだけはわかってくれているということが、あの時の俺を支えていた。
地球上の誰も信じてくれなかったとしても、そこにたったひとりだとしても、自分を理解してくれる人がいるということが、どれだけ人間を強くするかーー
そんな風に独り黙々と修行に励んでいた6月のある日。
珍しく、いや、初めて俺あてに私信の手紙が届いた。ご丁寧に開封され、これ見よがしに「censored」(検閲済み)の赤いスタンプが押してある。何だろうと思って、消印を見るとジャミールからだった。――ムウだ!
喜びよりも驚きで、あわてて封筒の中から取り出したカードを開く。褪せて見える青い縁取りが一本はいっただけの簡素な白いカードには「ハッピーバースデイ」とだけ印刷されている。そしてその下にムウの字で、ただ一言。「アイオリアへ。私は元気です」
検閲されて何かを取り除かれたのか、それとも謎かけなのかと、何度も封筒の中を探ったり、カードをひっくり返しは見てみたが、何の仕掛けもない。手紙にかすかに残るムウの小宇宙からも、それ以上のことは伝わってこない。
手紙を手にしばらく呆然としていた俺だが、やがておかしくなってきた。
アイオリア、元気ですか?と俺を気づかう言葉ではなく、「私は元気です」。
――そうか、ムウは元気なんだ!
アイオリア、私はこの状況でも勇気を失っていません。だから、私と同じようにあなたも元気でいると信じています、と。
当時、公式には兄は行方不明ということになっていたので、聖域外部への俺の方からの接触は全く許されていなかった。だから俺はムウの手紙に返事は書けなかった。だが俺は、ムウは俺が聖域で頑張っていることをちゃんと知っているのだと思った。
そして、ムウからの手紙は毎年6月の初めごろに届いた。いつも同じ素朴な封筒とハッピーバースデーと印刷されたカードに同じ一言だけ。
「アイオリアへ。私は元気です」
だから俺は聖戦後にムウが聖域にベースを移すことを知った時、これからは、と思ったのだ。
これからは俺たちは一緒にいられるのだと。遠い空の向こうでは無く、俺の宮から続く階段の先にムウがいつもいるのだと。そしていつかムウにこのカードについて訊ねようと――
***
だが、物事は俺が思っていたようには進まなかった。
正確には俺が期待していたことの一部は実現した。ムウは俺と同じ聖域に基本的に常駐し、その意味では会おうと思えばいつでも会えるようになった。
だが、実際問題として、ムウに会って行動をともにすると、なぜか俺はムウを怒らせてしまうようだった。
他の奴には冷静で抑制のきいたふるまいのムウだが、俺に対してはかなりの毒舌で、感情をあらわにすることも多い。そして、人間関係に置いて一方が不機嫌な時にもう一方が機嫌良くいるということは極めて困難だ。結局俺もムウの態度に上機嫌とはいかず、押し黙ることになる。
側にいることによってかえって遠く感じてしまう事もあるのだと、俺は初めて知った。
離れ離れだった13年の間、あんなに近くに感じていたのに――
思わず溜息をついてしまいそうになった俺は首を振った。よそう、こんな女々しいことを考えるのは。
その時、獅子宮に近づいてくる人の気配を感じた。
誰だろうと顔をあげると、薄闇にほの白く浮かぶ階段から静かに姿を現したのはムウだった。
(続く)
02 | 2025/03 | 04 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | ||||||
2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
9 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | |
16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 |
23 | 24 | 25 | 26 | 28 | 29 | |
30 | 31 |
その他☆矢派生作品(Ω、LC等々)の感想も。
御用の方は拍手またはこちらまでどうぞ↓
gotoplanisphere☆yahoo.co.jp ☆→@