日々の萌語りとSS
昨夜は山羊座の新月でしたね。
昨日のシュラムウターン発作は、山羊座の新月パワ~を受信したのでしょうか。
しかし磨羯って難しい字ですよね。
いかも羯は「去勢された羊」という意味だそうです。(なんか、シュラがかわいそうに…)
まあ、インドの言葉の音写だから字はなんでもよかったのでしょうが、もう少しよさ気な字でも良かったような。
ということで、とりあえず続きです。(まとまったら順次サイトにアップの予定です)
↓
***
アテナの慈悲による復活後、俺たちは聖戦前が嘘のような平和な日々を送っていた。
勿論戦士としての訓練も、勅も依然として聖戦前同様に行われている。
しかし、聖戦前の緊迫感――もし明日の朝、闘いが始まったら、多分俺たちの多くは一日の終わりを見ることはないだろうという、そういう切迫感はもう日々の中には無かった。
しかし、聖戦前の緊迫感――もし明日の朝、闘いが始まったら、多分俺たちの多くは一日の終わりを見ることはないだろうという、そういう切迫感はもう日々の中には無かった。
武人として死ぬことに対する覚悟はある。しかし復活後は、あれ程当前のように身近にあった死がほんの少し遠ざかり、その分、別のものが日々を満たす。
いかに死ぬかではなく、いかに生きるか。
聖戦前には闘い最優先で切り捨ててきた様々なものを拾い集め、積み上げて、俺たちはこれからを生きていかねばならない――
***
聖戦後の聖域で、許されて戻ってきた俺たちは、因縁のある者とも無い者ともすぐに顔をあわせることになった。そして聖戦前のことは不問に付すという暗黙の了解のようなものが皆の間にあったから、同僚たちとは特にあの13年間のことについて語りあうことも無かった。
俺がすべきことはただ、何事も無かったように振る舞い、日々の任務にいそしむこと。
実際13年前のことについては、自分が愚かだったとは思うものの、良心に恥じることは無い。だから俺は、誰にも気づまりな思いを抱くことは無かった。
――ただひとり、牡羊座の聖闘士を除いては。
あの時聖域にいた同僚の中で、一番影響を受けたのはアイオリアとムウだ。
アイオロスの復活を聞いた時、俺はすぐに彼の宮を訪問した。そこには当然アイオリアもいた。その後なにがあろうと、あのとき俺がやったことは事実として変わらない。
だが復活後のアイオロスと初めて顔を合わせた時、彼は俺に微笑みかけた。アイオロスはあの時の俺を理解してくれていたのだった。
アイオリアはそれよりはもう少し複雑そうだった。人は、自分ではなく大切な人が傷ついた時のほうが、かえって割り切れないものなのかもしれない。
だがそんなアイオリアも、翌日にはさっぱりとしたごく自然な態度で俺に接してきた。多分、夜にでも兄といろいろ話し合ったのだろう。それにもともとアイオリアは竹を割ったような気性だ。
少なくともそれ以来俺とアイオロス兄弟の関係に、13年前にあったことが影を落とすということはなかった。
いや、そういう意味ではムウも、他の奴らに対するのと変わらないさっぱりした態度で接してくる。過去の確執に拘泥するような器の小さい人間は黄金聖闘士にはいない。
それに厳密にいえば、俺はシオンの死には関わっていないし、ムウが聖域を出て人里離れたジャミールの地で何年も過ごしたことも俺の行動と直接関係があるわけではない。
だが俺は、ムウに会うたびに落ち着かない気持ちになった。
幼かったムウの哀しみと怒りに満ちた瞳。
13年ぶりに会った聖戦の夜の、驚きと失望を露わにした表情。
13年ぶりに会った聖戦の夜の、驚きと失望を露わにした表情。
あの時のムウが魂の底まで強烈に焼き付いている。
勿論ムウともあの件について話すことはなかった。アイオリアとは違って直接かかわったわけではないだけに、話を持ち出すにしても切り出し方すら思いつかなかった。
それに、いずれにせよムウは全てをちゃんと分かっている。
全てを理解したその上で、俺を許せるのか、許せないのか、それはもうムウ自身の判断なのだ。
全てを理解したその上で、俺を許せるのか、許せないのか、それはもうムウ自身の判断なのだ。
ムウが俺をどう思っているのかなど、その態度からは全く分からなかった。いつも変わらぬ、穏やかで慇懃な態度だ。
(続く)
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